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Straight Travel えほん

どこでもない場所

『どこでもない場所』セーラ・L・トムソン文 ロブ・ゴンサルヴェス絵 金原瑞人訳 ほるぷ出版

どこでもない場所 (海外秀作絵本)どこでもない場所 (海外秀作絵本)
(2010/04)
セーラ・L. トムソン

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想像してごらん。海のためいき、波のささやき、スーツケースからこぼれだしあなたを夢の世界へつれてゆく、そんな場所を。カナダの画家ロブ・ゴンサルヴェスがえがく、ここでもあそこでもない、不思議な場所。想像力にみちたイラストレーションが、見るものを奇妙な世界へさそいこむ。

『真昼の夢』や『終わらない夜』につづく、細密な絵で描かれる「どこでもない場所」。
川の飛び石が古い町の屋根に変わり、山脈の森が海に変わり、雪に覆われた森がチェス盤に変わります。

ファンタジックでちょっと不気味で、不思議で壮大な。
名所旧跡の観光に食傷気味の方、「どこでもない場所」への旅はいかがでしょう?

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ぱんつくったよ

『ぱんつくったよ』 平田昌広 作 平田景 絵 国土社

ぱんつくったよ。ぱんつくったよ。
(2013/04)
平田 昌広

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ぱんつくったよ。あんぱんつくったよ。ふらんすぱんつくったよ。くりーむぱんつくったよ。かれーぱんつくったよ。
読むときに、くぎる場所をかえると意味がかわる絵本。

子どもたちはこの題名を読んだだけで爆笑(笑)。
同じ文章でも「、」を打つ場所を変えるだけで別の文章になる、言葉遊びの本です。
どこで「、」を打つのかな?と予想しながら次のページをめくるのが楽しいです。

私のお気に入りは「順番にいただきます」と「順番に板、抱きます」。

ご夫婦による共作絵本です。

どうするジョージ!

『どうするジョージ!』 クリス・ホートン 作 木坂涼 訳 BL出版

どうするジョージ!どうするジョージ!
(2014/12)
クリス ホートン

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いぬのジョージにハリスがいいました。ちょっとでかけてくるけどいいこにしていられるかい?ぼくはいつでもいいこだよ。だいどころでも…ねこがいても…。ほんとにジョージはいいこ…かな?

お留守番を頼まれた犬のジョージ。「いいこにしてる」って言ったけど・・・ジョージにおそいかかるさまざまな誘惑。
ケーキを食べつくし、ネコをおいかけ、花壇の花を掘り返し。
「いいこ」になれないジョージの顔が、だんだんクレヨンの線でワイルドになっていくのが面白い(笑)。

荒れた家に帰ってきた飼い主のハリス。
でもハリスはきつく叱ったりせず、ジョージを散歩に連れていきます。
外ではオイタもしないジョージ。でも最後に最大の難関が・・・。

どうするジョージ!どうするジョージ!?

終わり方も秀逸。
凡人のセンスで考えたら反対色を使いそうなところを、オレンジの背景に赤と紫のジョージの顔という、配色のセンスがニクイです。

玉の図鑑

『玉の図鑑』 森戸祐幸 監修 学研

玉の図鑑玉の図鑑
(2015/01/20)
森戸 祐幸

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宇宙の天体から、身の回りのボールペンなどの日用品、ダンゴムシなどの生き物まで、玉(球、円)の形に注目した図鑑。玉の形には、いろいろな意味や目的があることに気づく、新しいタイプのビジュアルワンテーマ図鑑。

「玉」というテーマで、水滴から、丸まる動物、トマトにボールに、天体に菌類。ミクロの世界から星空にまで広がる、壮大な本です。武将太田道灌を救った、新宿のネコ「たまちゃん」の話が面白かった。
こういうワンテーマ&ノンジャンルの図鑑は初めて見ました。珍しくて美しく、そして読んでいて楽しいオススメの図鑑です。

読み聞かせ用には、こんないろいろな「たま」を集めた写真絵本もあります。


風の島へようこそ

『風の島へようこそ』 アラン・ドラモンド作 まつむらゆりこ訳 福音館書店

風の島へようこそ (福音館の科学シリーズ)風の島へようこそ (福音館の科学シリーズ)
(2012/02/15)
アラン・ドラモンド

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デンマークのまん中にあるサムス島は、海にうかぶ小さな島。いつも、強い風が吹いています。
15年前、島でつかうエネルギーを、すべて島でつくりだそうという話が持ち上がりました。島で生まれ育ったソーレン・ハーマンセンさんは、その実現を夢見て、根気強く人々を説得します。島のだれもが、身のまわりの自然から生まれるエネルギーだけで暮らす、そんな日は果たしてやってくるのでしょうか。実話を元にえがかれた風の島の物語です。

島でエネルギーを作り、自給自足で暮らす。風の強い島、デンマークのサムス島で行われた風力発電の話。
始めはおっくうがった島の大人たちも、停電の日に風力発電の家だけが灯りが灯っていたことをきっかけに、風力発電に乗り気になります。

完全自給自足とまではいかなくても、身近なエネルギーをできるだけクリーンなものに替えられたらいいですよね。
巻末には詳しい解説ものっています。

サムス島はこんな島だそうです。

http://euro.typepad.jp/blog/2009/12/post-b493.html

さよなら またね

『さよなら またね』かさいまり 作・絵 ひさかたチャイルド

さよならまたね―ぼくとクッキーさよならまたね―ぼくとクッキー
(2000/01/01)
かさい まり

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なかよしのクッキーが明日ひっこしするなんて。さよならって言ってもまた会えた。いつもいつもまた会えた。でも今度のさよならはもう会えない。さよならなんて僕いやだよ。

仲良しのクッキーがお引越しするおはなし。
幼児向けの絵本ですが、小学生が読んでも、大人の私が読んでも、涙の一冊。
離れる子も、置いていかれる子も悲しいね。
でも読み終えたらぜひ裏表紙まで見てください!きっと心が温かくなるはず。

同じように友達が引っ越す小学生女子向けの絵物語で、こちらもあります。

あたしって、しあわせ!あたしって、しあわせ!
(2012/03/08)
ローセ・ラーゲルクランツ

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マイヤー夫人のしんぱいのたねは?

『マイヤー夫人のしんぱいのたねは?』ヴォルフ・エァルブルッフ作 うえのようこ訳 BL出版

マイヤー夫人のしんぱいのたねは?マイヤー夫人のしんぱいのたねは?
(1998/10)
ヴォルフ エァルブルッフ

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しんぱいしょうのマイヤー夫人は、ある朝、「ほんとうのしんぱいのたね」を見つけます。それは、クロウタドリのピープーちゃん。わが子のように大切に育てたピープーちゃんに、「とぶこと」を教えるために、夫人は大決心をします。ふるいさくらんぼの木に、必死でよじのぼります。

心配性のマイヤー夫人は、いつも起こりそうにもないことまで心配しています。
そんなマイヤー夫人が「実体」として手にした「しんぱいのたね」は死にそうな小鳥。夫人は小鳥をピープーちゃんと名付けて育てます。そろそろ「とぶこと」を教えなければいけない時期になり、夫人はさくらんぼの木に登ります。

心配性のマイヤー夫人と呼応するような、楽天家のマイヤーさんとの夫婦ぶりが素敵。

ネタバレしてしまうと、

マイヤー夫人・・・飛ぶんです!

なーんか、とっても読後感の良い絵本です。
日常にモヤモヤ・ウツウツとしている女性におすすめの絵本。

クジラにあいたいときは

『クジラにあいたいときは』 ジュリー・フォリアーノ文 エリン・E・ステッド絵 金原瑞人訳 講談社

クジラにあいたいときは (講談社の翻訳絵本)クジラにあいたいときは (講談社の翻訳絵本)
(2014/06/27)
ジュリー・フォリアーノ、エリン.E・ステッド 他

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もし、きみがクジラをみたいなら……
居眠りしてしまうから、ここちいい椅子に座ってはいけないよ。
薔薇の香りや色に気をとられてはいけない。
海から目をそらさず、とにかく、辛抱強く待つこと。

未知のものを想像する楽しみ。ちいさな少年が、出かける空想の旅。
アメリカで2013年初夏刊行され、さまざまな書評や児童書ランキングで取り上げられるなど話題となった絵本。

ペパーミントグリーンの海と、見開きのサーモンピンクが美しく、素敵な装丁の絵本。
クジラにあいたいときは目をそらさないで。
まって まって まって

寓話のような絵本。日常生活にかまけて忘れがちな「クジラ」って、いったい何なのでしょう?
子どもが読んでもわかる内容ですが、是非大人に読んでみてほしい絵本です。

さとうとしお

『さとうとしお』ひさかたチャイルド

さとうとしお (しぜんにタッチ!)さとうとしお (しぜんにタッチ!)
(2015/01/20)
不明

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佐藤俊夫の秘密にタッチ!・・・じゃなくて、「砂糖と塩」のしぜんにタッチ!

見た目はそっくりのさとうと、しお。じつは違いがいっぱい。
火にかけるとカラメルになる砂糖。火にかけても変わらない塩。
畑でとれる砂糖。海でとれる塩。

いろいろな色の砂糖や、いろいろな形の塩が紹介されていて好奇心が刺激される一冊です。

ほしになったりゅうのきば

『ほしになったりゅうのきば』君島久子 再話 赤羽末吉 画 福音館書店

ほしになったりゅうのきば―中国民話 (日本傑作絵本シリーズ)ほしになったりゅうのきば―中国民話 (日本傑作絵本シリーズ)
(1976/12/06)
君島 久子

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中国の昔ばなしから再話された絵本。

子どもが欲しかったおじいさんおばあさんに授かった、石から生まれた少年・サン。
ある日南山の竜と北海の竜が桃をめぐってケンカをし、頭を天にぶつけて天が裂けてしまいます。
サンは天の裂け目をつくろうために、ライロン山のみどりのひげの老人を訪ねます。
老人はウリュー山に住むクマ王の三人娘に頼むとよかろうと知恵を授けてくれます。
サンはウリュー山に赴き、三人の娘に頼むのですが・・・。

竜や天の裂け目、それぞれの花の色の娘たちなど、壮大で美しい物語です。
少し長めのお話ですが、ひきこまれること間違いなし。

うちの下の娘は、表紙だけを見て「勇敢な歯医者さんのはなし!」と言いました。

どうぶつしんちょうそくてい

『どうぶつしんちょうそくてい』 聞かせ屋。けいたろう 文 高畠純 絵 アリス館

どうぶつしんちょうそくていどうぶつしんちょうそくてい
(2014/08)
聞かせ屋。けいたろう

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きょうはどうぶつえんのしんちょうそくてい。どうぶつたちは、じょうずにはかれるでしょうか?

いろいろな動物たちを身長測定。キリンは?コウモリは?コアラは?
さまざまな動物たちの測定模様が愉快です。

作者のけいたろうさんは元保育士で「よみきかせ」に主眼を置いているため、本作も聞き手に語り掛けるような口調が特徴的です。本作を作る際は、実際に上野動物園へいって、ガラス越しにメジャーで身長測定したそうです。

続編で『どうぶつたいじゅうそくてい』もあります。

赤ひげのとしがみさま

『赤ひげのとしがみさま』ファリード・ファルジャーム/ミーム・アザード作 ファルシード・メスガーリ絵 さくらだまさこ/いのくまようこ訳 ほるぷ出版

あかひげ

イランの絵本。
赤い髪の毛と赤いひげの年神様は、毎年春になるとやってきます。

年神様がだいすきなおばあさんは、春の最初の日、毎年庭をきれいにしてお供え物を用意し、おめかしをして年神様を待ちます。まちくたびれて眠ってしまったおばあさんのもとにやってきた年神様は、おばあさんの髪の毛にカミツレ草の花を挿し、オレンジを半分食べて去っていきます。
目覚めたおばあさんは年神様に会いそびれてがっかり。「やれやれ、また一年またなくちゃならないね。」

布をコラージュした印象的な絵は、1974年の国際アンデルセン賞を受賞しています。
起承転結がはっきりした話も面白いですが、こういうひとつの情景を描いたおはなしも、良いものです。

そんなとき、どうする?

『そんなとき、どうする?』セシル・ジョスリン文 モーリス・センダック絵 こみやゆう訳 岩波書店

そんなとき どうする? (岩波の子どもの本)そんなとき どうする? (岩波の子どもの本)
(2013/09/21)
セシル・ジョスリン

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これは「わかきしんし しゅくじょのための れいぎさほうのほん」。

図書館で本を読んでいたら、突然投げ縄をかけられてしまった。「さあ、いますぐ俺様のかくれがへ来い!」
そんなとき、どうする?

「としょかんでは しずかにあるきましょう」

…と、こんな具合に、「マナーのことを言っている場合か!」という状況で説くマナーの本です。
読み進めるうちに大体要領がわかってくるので、「そんなとき、どうする?」の後を予想するのが楽しいです。

アナベルとふしぎなけいと

『アナベルとふしぎなけいと』マック・バーネット文 ジョン・クラッセン絵 なかがわちひろ訳 あすなろ書房

アナベルとふしぎなけいとアナベルとふしぎなけいと
(2012/09)
マック バーネット

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アナベルの毛糸は、不思議な毛糸。編んでも編んでも、なくならない。
まず自分のセーターを編んで、犬のマースのセーターも。クラスのみんなにも、町じゅうの人にも、町の動物たちにも。
セーターを編んだけど、それでも毛糸はなくならない。そこで、アナベルは……。
2012年ボストングローブ・ホーンブック賞(絵本部門)受賞作。

題名も毛糸で編んであるのが楽しく、洒脱な絵本。
アナベルの住む町は雪で覆われ、煙突から黒い煤が出るモノクロの町でした。
そんなある日アナベルが拾った、なくならない毛糸が入った不思議な箱。アナベルはその毛糸でいろんなものを編んでいきます。
アナベルが編むたびに暖かく覆われていく町の様子。アナベルのやさしさが形になったかのようです。
途中に毛糸を奪おうとする、いけすかない王子が登場するのですが、アナベルの毛糸はそんなものでは無くならないという展開が素敵です。

NHKの番組『スーパープレゼンテーション』で見た、作者のマック・バーネットさんのお話が面白かったので、この絵本を手に取りました。

http://www.nhk.or.jp/superpresentation/backnumber/150311.html

マック・バーネットさんは「絵本が現実に飛び出してきた」感じが好きで、海賊グッズの専門店や、タイムトラベル・コンビニなどのお店をつくったそう。これらのお店の奥では子どものための非営利のワークショップが開かれているそうです。こういうテーマパーク的なお店は日本では一過性の話題で終わり、なかなか根付かないのが常ですが、アメリカの人は楽しむ感覚がありますよね。私も行ってみたいなぁ。

あしにょきにょき

『あしにょきにょき』 深見春夫 作 岩崎書店

あしにょきにょき (えほん・ドリームランド 4)あしにょきにょき (えほん・ドリームランド 4)
(1980/10/20)
深見 春夫

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グルメでこの世で食べたことのないごちそうなんてないポコさん。
ある日怪しげなセールスマンから大きなそら豆を買います。そのそら豆を食べると、ポコさんの左足がにょきにょき伸び始めました。

足がどこまでも伸びていく、『ジャックと豆の木』の横伸び版?のような絵本。
林を抜けて、橋を渡って、街の中までどんどん伸びる左足。表紙は仰天している町の人々の絵です。
ポコさんの左足はいったいどうなってしまうのでしょう?

足が伸びるという単純な話ながら、愉快でひきこまれてしまうお話。
あの怪しげなセールスマンはいったい何者だったのだろう?気になります。

話の展開はまったく違いますが、同じように「豆」と「伸びる」をモチーフにした絵本に、こんな絵本もあります。

まいごのまめのつる (こどものとも絵本)まいごのまめのつる (こどものとも絵本)
(2011/04/15)
こだま ともこ

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ポリッセーナの冒険

『ポリッセーナの冒険』ビアンカ・ピッツォルノ作 クエンティン・ブレイク絵 長野徹訳 徳間書店

ポリッセーナの冒険ポリッセーナの冒険
(2004/11/19)
ビアンカ・ピッツォルノ

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ポリッセーナは、イタリアの町に住む女の子。しかられるたびに、「ほんとうのお父さんやお母さんなら、怒るわけないわ。わたしの親はべつにいるのよ。王さまか、お金持ちの高い身分の人にちがいない」と空想をふくらませています。そんなある日、ポリッセーナは自分がほんとうにもらい子だったことを知ってしまいます。家をとびだしたポリッセーナは、動物曲芸団をひきいるルクレチアに助けてもらいながら、両親をさがす旅に出るのですが。
さいごまで、はらはらどきどき、本を読むおもしろさがたっぷり味わえる、たのしい冒険ものがたり。

自分がもらいっこだということを知ったポリッセーナは、本当の父母を探すために、動物曲芸団を率いる少女ルクレチアと共に旅に出ます。「この人がお父さん?」「この人がお母さん?」とポリッセーナが思うたびに、どんでん返しで旅は続きます。でも少しずつ生まれの手がかりをつかみ、最後は驚きの結末へ。
名作文学や名作映画のパロディのような展開もあり、大人が読んでも面白い本です。
挿絵がクエンティン・ブレイクなのもポイントが高い!

ちいさなちいさな

『ちいさなちいさな めにみえないびせいぶつのせかい』
ニコラ・デイビス文 エミリー・サットン絵 越智典子訳 出川洋介監修 ゴブリン書房

ちいさなちいさな―めにみえないびせいぶつのせかいちいさなちいさな―めにみえないびせいぶつのせかい
(2014/08)
ニコラ デイビス

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わたしたちの身のまわりにいる、目にみえない、ちいさな、ちいさな生きもの―微生物。
その存在と、わたしたちの暮らしとの関わり、自然界での大きな役割を、子どもたちにわかりやすく伝えるイギリスの科学絵本。

アリの触覚一本に何千万ものっかれるような小さな生き物、微生物。
丸いのや、ひょろひょろの。お花にそっくりなのや、宇宙船みたいの。
体を守ってくれたり、体を病気にしたりする不思議な生き物。

科学絵本ですが、お勉強ではない「微生物の不思議さ」を実感できる絵本です。
絵がとてもかわいらしい。

「目に見えないちいさいもの」に興味がある子には、こちらもオススメ。

ナノってなんなの?―ベンジーとブルーノのぼうけんナノってなんなの?―ベンジーとブルーノのぼうけん
(2010/12)
ハリー クロトー

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こん虫のおやこ

『こん虫のおやこ』 岡島秀治 監修 偕成社

こん虫のおやこ (こん虫のふしぎ)こん虫のおやこ (こん虫のふしぎ)
(2012/01/11)
ネイチャー・プロ編集室

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こん虫のおやこのつながりは、さまざまです。お母さんが、たまごをうみっぱなしにするものから、たまごから生まれた赤ちゃんをそだてるものまで。こん虫たちのおやこを見てみましょう。アキアカネ、トノサマバッタ、カマキリ、モンシロチョウ、オトシブミなどがどう卵を産み、そのあとどうするかを紹介します。

「こん虫のふしぎ」シリーズの第五巻。

虫は卵を産んで終わり、かと思いきや!
たまごを守り、食べ物を用意しておく虫たちがいます。

葉っぱをくるくる巻きにして卵を守るオトシブミ。
壺のような形の巣に幼虫のエサをぎっしり詰めてふたをするキアシトックリバチなど、
知らなった昆虫の生態がいっぱい。

さらに子育てをする虫もいるのです。
それが表紙に映っているベニツチカメムシです。
卵のかたまりを持ち歩き、幼虫になった後は赤ちゃんの待つ巣穴まで何度もエサを運びます。

このベニツチカメムシ、木漏れ日の形を覚えて巣まで戻るという話をテレビで見て以来、
それほどムシ好きでない私も、なんだか愛おしいムシだなあ~と忘れられない存在です。

空とぶペーター

『空とぶペーター』フィリップ・ヴェヒター作・絵 天沼春樹訳 徳間書店

空とぶペーター (児童書)空とぶペーター (児童書)
(2013/07/09)
フィリップ・ヴェヒター

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ペーターは空がとべる男の子。あかちゃんのときから、しぜんに空をとべたんだ。あるとき、家族で、南の島に旅行することになり、おとうさんとおかあさんは、飛行機で、ペーターは、空をとんでいくことにした。とちゅうで、83羽のわたり鳥にであい、いっしょにとんでいたら、鳥をつかまえる悪いやつに、なかまの一羽がつかまってしまった。みんなで、たすけにいかないと!空とぶ男の子ペーターのだいぼうけん!

赤ちゃんの時から空を飛べたペーター。家族旅行の時に、ひとりだけ飛んで現地へ向かうことにします。
南へ向かう渡り鳥と行動を共にしたペーターですが、途中で一番小さな鳥のフーベルトが悪い男に捕まってしまいます。
ペーターは珍しい鳥のフリをして男を誘い出し、そのあいだにほかの鳥たちはフーベルトや、他の捕まった鳥たちを助けます。
途中でペーターは群れに別れを告げますが、フーベルトだけペーターについてきて、一緒にバカンスを過ごします。
フーベルトとペーターの続編が作れそうな、素敵なラストです。

たくさんの鳥たちがペーターたちを祝福しにくる場面がとても華やか。
空を飛ぶペーターの様子に、こちらまでのびのびとした気持ちになります。

おすしのさかな

『おすしのさかな』ひさかたチャイルド

おすしのさかな (しぜんにタッチ!)おすしのさかな (しぜんにタッチ!)
(2010/05/01)
川澄 健、 他

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お皿の上のまぐろも、もとは3mもある巨大な魚。広い海を元気にぐいぐい泳いでいました。あじにイクラ、たこ…。あなたが好きなお寿司は、どんな姿をして、どんなふうに生きていたのでしょう?私たちにとって、食べ物は一番身近な存在。その不思議を楽しく追えば、自然の恵み、命の恵みが見えてきます。楽しく知るうちに、食べ物や命への感謝が生まれてくる絵本です。

「しぜんにタッチ!」シリーズの一冊。
お寿司屋さんでよく見るお寿司がどんな魚なのかを見ることができます。
マグロの捌き方から寿司の握り方までお寿司の概要を知ることができる絵本。

見ているとお腹がグーッとなりそう…。

おおきなカエル ティダリク

『おおきなカエル ティダリク』 加藤チャコ 再話・絵 福音館書店

おおきなカエル ティダリク―オーストラリア アボリジニ・ガナイ族のお話 (こどものとも世界昔ばなしの旅2)おおきなカエル ティダリク―オーストラリア アボリジニ・ガナイ族のお話 (こどものとも世界昔ばなしの旅2)
(2005/09/10)
加藤 チャコ

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岩のようにおおきなカエル・ティダリクは水をひとりじめ。
困った動物たちは、ティダリクを笑わせて水を吐き出させようと踊ったり、変顔したり。
でもティダリクはムッツリしたまんま。

そこへ小さなウナギのノンヤンがやってきて、ティダリクが小川の水を飲みほしたことを怒って訴えます。
その様子に思わず吹き出してしまうティダリク。
「つくられた」笑いより、予期せぬおかしみに吹き出してしまう様がリアルです。

再話・絵の加藤チャコさんはオーストラリア在住だそうです。
オーストラリアのアボリジニ、ガナイ族の昔話を再話した絵本。

ペンギンペペコさんだいかつやく

『ペンギンペペコさんだいかつやく』 西内ミナミ 作 西巻茅子 絵 すずき出版

ペンギン ペペコさん だいかつやく (おはなしのくに)ペンギン ペペコさん だいかつやく (おはなしのくに)
(2013/05/22)
西内 ミナミ

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マリン水ずくかんで生まれたペンギンのペペコさん。やくにたつってなんだろう?
ある日、街に出かけたペペコさんは、いろんな「役に立つ」ペンギンたちに出会います。

マリン水族館で暮らすペペコさんは、ショーのために数を覚えなければならないのですが、なかなか覚えられません。
「数なんて覚えて何の役にたつんだろう?」
そんなペペコさんはある日街に出かけ、男の子に出会い、彼から数を習います。
そして男の子のスイミングスクールに出かけ、レッスン中におぼれかけた彼を救います。
「役に立てた」ことがうれしいペペコさん。
水族館のショーでは、ペペコさんの安全教室が新たに加わります。

低学年で15分×1~2回で読める絵読み物。
自分の特技を生かして「誰かの役に立つ」うれしさが描かれています。

おおかみだあ!

『おおかみだあ!』セドリック・ラマディエ文 ヴァンサン・ブルジョ絵 谷川俊太郎訳 ポプラ社

おおかみだあ! (ポプラせかいの絵本)おおかみだあ! (ポプラせかいの絵本)
(2014/03/20)
セドリック ラマディエ

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たいへんだたいへんだ!!えほんのページをめくるとおおかみがやってくる!!

絵本を傾けたり、ひっくりかえしたりしてオオカミが翻弄する様子を楽しむ絵本。
同じ谷川俊太郎さん訳の『まるまるまるの本』にも似た、読者参加型絵本です。
シンプルな色と形の絵柄、めくりやすい厚手の紙の装丁がヨイです。

なにをかこうかな

『なにをかこうかな』 マーグレット&H・A・レイ 作 中川健蔵 訳 文化出版局

なにをかこうかななにをかこうかな
(1984/09/16)
マーグレット・レイ

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うさぎのビリーは「なにをかこうかな」と絵を描き始めます。
するとこいぬがやってきて、たれた耳を描き足し、あひるがやってきて水かきを描き足し、やまあらしがやってきて、針を描き足し…ヘンテコな絵ができあがり、ビリーは泣き出します。
しかしそのうち「みんな、自分の絵を描こう」と提案し、みんなでそれぞれ自分の絵を描き始めます。

やってくる動物たちが、自分の特徴的な部分を書き足していく繰り返しの様子が面白い。
『おさるのジョージ』シリーズでおなじみのレイ夫妻による絵本です。

岩をたたくウサギ

『岩をたたくウサギ』 よねやまひろこ 再話 シリグ村の女たち 絵 新日本出版社

岩をたたくウサギ―サバンナのむかしがたり岩をたたくウサギ―サバンナのむかしがたり
(2012/04)
よねやま ひろこ

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西アフリカ、ガーナの北のサバンナ地方に伝わるむかしがたりをもとに再話。

ある日悪賢いウサギがみんなに言います。
「最近『ゴォーゴ』と人をばかにする言葉が流行っていてよくない。『ゴォーゴ』と言った者は、その場でペランペランの皮になってしまうのはどうだろう。」と提案します。サバンナのみんなは賛成し、誓いをたてます。

こんな苛烈な法案が通ってしまった行先は…? 

次の日ウサギはわざと岩を叩きながら「畑を耕している。」と話し、思わず「ゴォーゴ」と口にしてしまった動物たちの皮を次から次へと手に入れ、カバンにしたりバッグにしたりしてしまいます。

そんな悪いウサギが最後は身を亡ぼす勧善懲悪の話なのですが、そのきっかけがまた含蓄深いので、是非興味のある方は本書をどうぞ。

赤茶と黒と白で描かれた絵が目をひく、アフリカの昔ばなしです。シリグ村の女性たちは日干し煉瓦と泥で固めた住居の壁に天然の顔料を用いて模様が描かれた、おとぎの国のような外観の村だそうです。
再話者の米山さんは女性たちの社会的地位が低いこの村で女性の地位向上を目指して働きかけているのだとか。
シリグ村の様子はこちらのサイトで見られます。

http://www.hyotan-ya.com/documents/arts/art.html



ピンクのぞうをしらないか

『ピンクのぞうをしらないか』佐々木マキ 作・画 絵本館

ピンクのぞうをしらないかピンクのぞうをしらないか
(1993/02)
佐々木 マキ

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世界一たいくつなサーカスがありました。サーカスの人達もやめ、動物たちもみんなでていってしまいました。後に残った猛獣つかいに団長が言いました。"ピンクのぞう"を探しに行こう。

モノクロ絵本。
お客がこないサーカスをたてなおすために、団長と、猛獣使いと、道化師と、怪力男はアフリカにピンクのぞうを探しに行きます。ヨットにのりこみ、ガラクタス島についた4人は、不思議な動物たちとたくさん出会います。
さて、ピンクのぞうは見つかるでしょうか?

アップリケのついた金時計や、草原にびっしりのゾウ、うさんくさいアイスキャンデー屋などコネタがたっぷり。
2ページに一回は笑える絵本(笑)。
ラストには、思わず「おーっ!!」と声が出ること間違いなし。