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かみさまにあいたい

『かみさまにあいたい』 当原珠樹(とうはら・たまき)作 酒井以(さかい・さね)画 ポプラ社



大好きなおばあちゃんにうそをついたまま、永遠の別れをむかえてしまった雄一。ひょんなことから、同級生の竜也といっしょに、「神さま」との交信を試みることになる。心の傷を抱えた少年たちのひみつの友情と成長の物語。

本作は今年の小学校中学年の課題図書になっています。

同級生の雄一と竜也。竜也は先生に反発したり授業中にどこかに行ってしまったりケンカっぱやかったりと問題児。その竜也が河川敷にいるのを目にした雄一は、竜也に理由を聞きます。竜也は以前神さまに会った事があり、もう一度会いたいから神さまと交信したくて穴の中にいるのだと。しかしうまく交信できないのでどうしたらいいかと聞かれた雄一は、高いところで交信するのがいいのではないかと提案します。竜也は「いいかくれ家がある」といい、はずみで雄一も交信を手伝うことに。竜也に連れていかれた先は、ゆうれい屋敷のような空き家でした。

この「神さまと交信しようとする」行動をきっかけに、竜也と雄一は親しくなります。竜也が母子家庭でいつも母親が不在で寂しい思いをしていることや、雄一の祖母が認知症になり、デイサービスに行かせるためにウソをつき続けたことを今も心苦しく思っている雄一の気持ちなどが明らかになります。

「神さまと話せる」と思うことや、空き家に入ることを冒険と思い決行することや、認知症の人に対応するときの対話を方便と思えず自分がウソをついていると思い苦しくなること等、子どもの心の動きがリアルに描かれている作品だなと思いました。

神さまはいるのか、人は死んだらどこにいくのかなど、普遍的な問いが、子どもの生活の物語の中で自然な問いとして浮かび、そしてそれに無理に答えを出していないことが良いなと思いました。
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